本日はお忙しいところ千葉邦楽合奏団の定期演奏会にご来場くださいまして、誠にありがとうございます。
千葉邦楽合奏団が結成されて早6年、この度5回目の記念演奏会を迎えることとなりました。今回は一つの節目となる記念演奏会でもあり、芸術文化振興基金の助成も受けられたこともあり、企画も例年になく幅広いものとなっております。今年度から文部省の教育指導要領が改訂され、邦楽器を取り入れなければならなくなりました。我々はそんな折り、子供達にも自然に邦楽がとけ込めるよう、千葉の童話「おらぁ兄ちゃんだ」(高野鶴与作)を取り上げ、語りと邦楽の組み合わせによる石井由希子の新作を演奏いたします。曲は30分を超える大曲です。語りはNHKのアナウンサー蔭山武人氏を、三絃に第一人者の高田和子氏をお迎えし、豪華に盛り上げて頂いております。又例年の新作は団の所属作曲家であります石井由希子の作品のみですが、今回はもう一つの新作として、私が代表を務めております<オーラJ>の芸術監督補として、最近めきめきと頭角を表しております作曲家の佐藤容子氏にも新曲をお願いし、華を添えていただいています。
「邦楽って楽しいの?」「もちろん!」 が我々のモットーです。聴いてくださるお客様に喜んでいただくには、まずは自らが音楽を楽しまなければと、現代感覚にあった新しい曲を生み出しながら活動を進めております。今回に向けての練習は、昨年の馬頭琴との共演にもまして一層盛り上がっておりました。語りの内容を充分に咀嚼しながらの練習や、著名な方々との共演は団員にとってとても励みになっているようです。今日の演奏結果を楽しみにしながら切磋琢磨して参りました。どうか最後までごゆっくりとお楽しみ頂ければ幸いです。
最後になりましたが今回の定演にご協力いただきました関係各位に心底より感謝申し上げます。どうぞ今後とも皆様のあたたかいご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

DANZA BURLESCA 田中修一作曲
指 揮:坂田 誠山
尺八1:奥村 鋒山・正道 示古山・毛利 笙山・出沼 智山
図子 佳山・水落 公尹・森田 紀典
尺八2:須藤 哲雄・森 佳久山・伊藤 凌山・功刀 幾山・大場 敬三
中野 松夫・村石 遥山
箏 1:樹本佳音里・新村 雅織・諏訪千世香・大塚真知子・林田瑠美子
杉山太佳子
箏 2:中島 純子・中村 幸子・大徳 良子・大宮 椎子・岡部 節子
神山さよ子・鈴木佑未子
17絃箏:谷田 幸子・北村 明子・石井由希子
ダンツァ ブルレスカとは、滑稽なる、または諧謔的なる舞踏という意の題名です。曲は単一楽章の三部形式で、尺八二部、箏二部、十七絃箏の編成からなります。
田中修一プロフィール(作曲家)
1966年生れ。伊福部昭、寺原伸夫の両氏に作曲を師事。二十五絃箏、絃楽器を中心に作品多数。1997年に二十五絃箏と室内オーケストラのための「CAPRICE」が、セルジュ・コミッショーナの指揮により世界初演される。また、松の実会75周年記念演奏会で、管絃賀壽「松」(二十五絃箏、邦楽合奏と女声合唱)を自らの指揮により初演。
日本音楽舞踊会議会員、日本作曲家協議会会員。
(主要作品)
「夜曲」(二十五絃箏と木管五重奏)、二面、二十五絃箏の「綺曲」、「HENABURI」(尺八二部・箏・十七絃)、ギター曲「BALLADE」(武井賞選考演奏会初演)、管絃楽のための「祝祭輪舞」等。
海鳴り 石井由希子作曲
この作品は1999年2月、ドルチェホール主催のコンサート、邦楽シリーズ「樹本佳音里の世界」にて初演された三味線と十七絃箏による二重奏曲です。この編成での作曲は私にとって初めてのことでしたので、三味線を膝に抱えながらの作業となりました。曲は海のうねりを思わせるような十七絃箏の序奏で始まります。三味線はリズムを鋭く刻みます。中間部では十七絃箏の穏やかなメロデイのうえで三味線は余韻を響かせます。終結部では二つの楽器が一丸となって激しく海の詩(うた)を奏します。
秋を想う(委嘱初演) 佐藤容子作曲
指 揮:坂田 誠山
尺八1:奥村 鋒山・正道 示古山・毛利 笙山・出沼 智山
図子 佳山・水落 公尹・森田 紀典
尺八2:須藤 哲雄・森 佳久山・伊藤 凌山・功刀 幾山・大場 敬三
中野 松夫・村石 遥山
箏 1:樹本佳音里・新村 雅織・諏訪千世香・大塚真知子・林田瑠美子
杉山太佳子
箏 2:中島 純子・中村 幸子・大徳 良子・大宮 椎子・岡部 節子
神山さよ子・鈴木佑未子
17絃箏:谷田 幸子・北村 明子・石井由希子
箏群の連音による、枯れ葉を踏みしめる様なイメージから曲は始まり、次第に尺八のメロディーと融合し、大きな流れとなっていきます。季節の移ろいと共に、人々の心に次々と浮かぶであろう想いや情景を想像しながら作曲してみました。
佐藤容子プロフィール(作曲家)
神奈川県生まれ。東京音楽大学作曲専攻卒業。作曲を三木稔氏、大田桜子両氏に師事、二十絃箏を滝田美智子氏に師事。邦楽曲作品の他、ミュージカル、演劇、コンテンポラリーダンスなどの舞台作品の音楽を手がける。主要作品に『流沙』(フルートと箏の為の)、『鳥ノ路』(龍笛独奏)、『いのちの泉』(声楽曲)等。自作の邦楽曲「雨の詩」「悠里」「流沙」、及びヴィオラ・ダ・ガンバ合奏曲「想花」がCD化されている。また10年に渡る舞台音楽をまとめたアルバム「テアトルミュゼ」を昨年リリース。今秋はカナダでの新作初演の他、オーストラリア、パース市の劇団にて音楽監督を務める。オーラJ芸術監督補。
ザ・ビートルズ・メドレー(新作初演) 石井由希子編曲
指 揮:坂田 誠山
尺八1:奥村 鋒山・正道 示古山・毛利 笙山・出沼 智山
図子 佳山・水落 公尹・森田 紀典
尺八2:須藤 哲雄・森 佳久山・伊藤 凌山・功刀 幾山・大場 敬三
中野 松夫・村石 遥山
箏 1:樹本佳音里・新村 雅織・諏訪千世香・大塚真知子・林田瑠美子
杉山太佳子
箏 2:中島 純子・中村 幸子・大徳 良子・大宮 椎子・岡部 節子
神山さよ子・鈴木佑未子
17絃箏:谷田 幸子・北村 明子・石井由希子
毎年の定期演奏会プログラムの中で、<お楽しみコーナー>としてご好評を得ているアレンジ・メドレー集。今回は、「ザ・ビートルズ」をお楽しみいただきます。多くの聴衆の心にいつまでも響き続けているビートルズのメロディーを、本日は尺八と箏の音色でお楽しみ頂ければ幸いです。
片足鳥居の映像 佐藤敏直作曲
片足鳥居は、長崎の坂本にある片足で立ち続けている石の鳥居のことである。この鳥居は原爆が投下されたというまぎれもない事実を教え伝えている。この作品は、そのことへの様々な観念と、片足で立っているという、その力学的な「美」そして、それらが生み出す不思議な空間などに触発されて生まれた。四つの小品より成り立っているが、それぞれに表題はない
(佐藤敏直記)
語りと邦楽による
おらあ兄ちゃんだ(新作初演) 高野鶴与作/石井由希子作曲
指 揮: 坂田 誠山
語 り: 蔭山 武人
三味線: 高田 和子
尺八1: 奥村 鋒山・正道 示古山・毛利 笙山・出沼 智山
図子 佳山・水落 公尹・森田 紀典
尺八2: 須藤 哲雄・森 佳久山・伊藤 凌山・功刀 幾山・大場 敬三
中野 松夫・村石 遥山
箏独奏: 樹本佳音里
箏 1:新村 雅織・諏訪千世香・大塚真知子・林田瑠美子・杉山太佳子
箏 2: 中島 純子・中村 幸子・大徳 良子・大宮 椎子・岡部 節子
神山さよ子・鈴木佑未子
17絃箏:谷田 幸子・北村 明子・石井由希子
・・・利根川を、ずっとずっとくだったところの村に住んでいる、むじな(たぬき)の親子・・・ 兄ちゃんなのに、いつまでたってもあまえんぼのもんじむじな・・ ・ そんなもんじが、<父さんの死>を乗り越え、強く、たくましく成長していく姿が 描かれています。
何度も何度も読み返しながら、この童話に登場する人物のイメージを膨らませる作業は、私にとってとても楽しいひとときでした。そしてそこから自然と湧き起こる、 素朴なメロディーを綴りながら、語りと邦楽による「おらあ兄ちゃんだ」の新しい世界を創りあげることを試みました。

坂田誠山
神野生山・人間国宝島原帆山両氏に尺八を師事。NHK邦楽技能者育成会12期卒。1969年にブルガリアにおける世界民族音楽コンクールで銅賞受賞。71年〜97年迄日本音楽集団に在籍し、副代表を務め、国内各地のほか、カーネギーホールなど世界各地でのコンサートのみならず、81年ライプチッヒ・ゲバントハウスオーケストラとの三木稔作曲《急の曲》世界初演、94年ニューヨークフィルとの米初演に貢献。又85年セントルイスオペラ劇場の三木オペラ《じょうるり》世界初演に尺八ソリストとして参加。92年にはベルリン芸術大学主催による尺八リサイタルを開催、95年にはエストニアの招きで「フェスティバル<オリエント95>」にメインゲストとして参加。他にも多くの海外公演を行い好評を得ている。
又国内では、読売日本交響楽団等多くのオーケストラとの共演や、サントリーホールでヨーヨー・マと共演する等、伝統楽器のみならず洋楽器との共演も数多い。98年『オーラJ』を結成、現在はその代表を務めながら、その運営と独自性確立に全精力を注いでいる。
石井由希子
千葉県出身。幼時期よりピアノ、作曲、箏曲を学ぶ。作曲を牛腸征司氏に、指揮法を甲斐正雄氏に師事。90年武蔵野音楽大学作曲学科卒業。92年第3回「箏・創作フェアー」作曲コンクールにて最優秀賞・朝日新聞社賞受賞。95年「世界ホルンフェスティバル in やまがた」ファンファーレ募集において、第1位特選を受賞。2000年 国立劇場作曲コンクールにて入選。 現在、日本音楽著作権協会会員、日本作曲家協議会会員。
主な邦楽関係の作品
○尺八四重奏曲「春愁」 ○尺八・箏二重奏曲「碧浪の譜」 ○尺八・箏コンチェルト「いざない」 ○尺八・二十絃箏と吹奏楽による協奏曲「SOMEWHERE」(玉村町文化振興財団委嘱作品) ○尺八・箏合奏曲「祝典序曲」○浦の舟唄 −尺八・箏・三絃・十七絃の為の− ○尺八とシンセサイザーによる「子守歌特選集」 作編曲 。その他多数。
樹本佳音里
幼少より母藤井清美(生田流正絃社大師範、さわらび会主宰、我孫子市在住)に箏の手ほどきを受ける。12歳より野村正峰、野村祐子各師に師事。15歳より金津千重子師に師事。1982年、名古屋市親善使節団として野村正峰師とともに、オーストラリア公演に参加。89年、東京芸術大学音楽学部邦楽科卒業。在学中に、上木康江、矢崎明子、砂崎知子、芦垣美穂各師に師事。89、90、91年「同級生8人によるコンサート」を行う。91年NHK邦楽技能者育成会37期卒業。NHK邦楽オーディション合格。96年、賢順記念全国箏曲コンクールにおいて大賞「賢順賞」を受賞。99年千葉ドルチエホールにて海老原邦江の世界開催。日暮里和音にてライブ開催。2000年日暮里サニーホールにて樹本佳音里リサイタル開催。千葉邦楽合奏団とともにイタリア親善公演参加。現在、生田流正絃社大師範。森の会会員。さわらび会会員。我孫子市三曲協会会員。
蔭山武人
1943年東京生まれ。67年国際基督教大学教養学部卒業。67年NHK(日本放送協会)にアナウンサーとして入局。以後の主な担当番組として、東京センター「TV全国ニュース」「お母さんの勉強室」など、北九州局「ニュースネット北九州」など、大阪局「モーニングワイド近畿」「西日本経済ウィークリー」「アジアマンスリー」など。91年福岡局に異動、九州地区アナウンス統括。93年東京アナウンス室に、テレビ・ラジオの全国ニュース、国会中継、ナレーションなどを主に担当。95年より3年間、新年の皇室行事「歌会始」の中継担当アナウンサー。97年〜99年富山放送局 局長。99年6月より2000年3月まで正午と夜7時のラジオ全国ニュース担当。00年11月より現職、テレビ・ラジオのニュースと指導育成を主に担当。
現在、NHKアナウンス室専門委員アナウンサー、杜団法人「日本ペンクラブ」会員エッセイスト、「日本都市計画学会」及び「自治体学会」それぞれ正会員。
高田和子
箏を中能島欣一と谷珠美に、三絃を杵屋正邦に師事。NHK邦楽技能者育成会18期首席修了。東京芸術大学大学院修了後、谷珠美邦楽研究グループに参加。1983年より三絃リサイタルを重ね、一柳慧、石井眞木、細川俊夫、北爪道夫など、多くの作曲家の作品を委嘱初演。ソロCDには「一枝繚乱」、「高橋悠治リアルタイム6・鳥のあそび」(ともにフォンテック)がある。93年岩城宏之指揮によるオーケストラ・アンサンブル金沢と、高橋悠治作曲三絃弾きうたいとオーケストラのための「鳥も使いか」を初演し、CD「21世紀へのメッセージ」に録音する。さらに日本フィル、大阪フィル、神奈川フィル、と共演。ドイツ、イタリア、フランス、オーストラリア、ニュージーランドで古典や現代の三絃曲を演奏。96年米川裕枝とコンサート・シリーズ「闌声」をスタート。99年ミュージック・フロム・ジャパン中央アジア公演に参加。2000年東京芸術大学非常勤講師をつとめる。2001年和楽器・人材派遣「玉手箱」を設立、代表となる。
|