
千葉邦楽合奏団第7回定期演奏会を迎えて
千葉邦楽合奏団代表 坂田 誠山
本日はお忙しいところ千葉邦楽合奏団の定期演奏会にご来場くださいまして、 誠にありがとうございます。
千葉邦楽合奏団が結成されて早8年、この度7回目の定期演奏会を迎えることとなりました。このところの定期演奏会では、お陰様で700人収容のぱるるホールがほぼ満員の中で迎えられております。これも一重に皆様方のご支援の賜と団員一同深く感謝申し上げます。邦楽も企画と演奏の内容次第によっては、大勢のお客様にお楽しみ頂ける事の証ではないかと推察され、皆喜んでおります。プロの集団でもコンサートとなると観客動員に汲々としている昨今、千葉邦楽合奏団のようにアマチュアを中心にしたグループのコンサートで、満員の聴衆でホールが埋まるのは、全国的に見ても珍しい事です。この演奏会の状況を公文協(社団法人 全国公立文化施設協会)のある顧問の方にお話ししたところ、大量動員が計れる事にとても驚かれていました。最近は学校教育にも邦楽を取り入れなければならなくなり、邦楽普及に大きな関心が寄せられています。我々の演奏会の状況は、邦楽の普及に大いに役立っているのではないかと言う事で、それをテーマに、公文協の機関誌にぜひそのノウハウを文章で載せて欲しいとの依頼がありました。私の尺八演奏活動の大きなテーマの一つは邦楽の一般市民への普及です。色々試行錯誤しながらたどり着いたのが千葉邦楽合奏団のような団体活動です。団員の音楽をする喜び、邦楽に携わる喜びが原動力となって、皆が力を合わせて大量動員に繋がっていると思います。この現況を知って頂きたく喜んで寄稿させていただきました。公文協の機関誌に触れるチャンスのある方は是非一読して頂きたいと思いますが、要は競争意識の中でどのジャンルにも負けない素晴らしいモノを創造し、これを提供する事に尽きると思っております。プロは個人技の素晴らしさを、アンサンブルはマスゲームの素晴らしさを、それぞれの特徴を充分に把握し、それを的確に生かしながら活動する事が、邦楽の普及に貢献出来るものと確信しております。
千葉邦楽合奏団と同じポリシーの合奏団を全国的に広めていきたいのが、私の夢でもあります。それが邦楽普及の早道と考えるからです。その第一歩として昨年東京邦楽合奏団を結成し、今年6月に第1回目の演奏会を開催いたしました。当日は大きな台風が来ていたにも拘わらず450人のホールが8〜9割の入りでした。新興のグループも千葉邦楽合奏団と同じように集客力を発揮しております。このような姉妹合奏団が出来た事により、千葉邦楽合奏団の記念すべき10回目の演奏会はそれらとの合同による2000人規模の大ホールでの演奏会が現実味を帯びて参りました。これも私の大きな夢なのです。
「邦楽って楽しいの?」「もちろん!」が我々のモットーです。それを再確認し、現代感覚にあった新しい曲を生み出しながら活動を進めております。今日の演奏結果を楽しみにしながら切磋琢磨して参りました。夢を大きく膨らませるような演奏をしたいと思っております。どうか最後までごゆっくりとお楽しみ頂ければ幸いです。
最後になりましたが今回の定演にご協力いただきました関係各位に心底より感謝申し上げます。どうぞ今後とも皆様のあたたかいご支援を賜りますようよろしくお願 い申し上げます。
ドリアンダンス 宮城 純一 作曲
指 揮:坂田 誠山
尺 八:奥村 鋒山・正道 E山・毛利 笙山・出沼 智山・図子 佳山・水落 公尹・須藤 哲雄
萩原 蘊山・伊藤 凌山・功刀 幾山大場 敬三・村石 遥山
三味線:中村 幸子・大徳 良子・大宮 椎子・神山さよ子
箏 :小泊佐知子・諏訪千世香・大塚真知子・林田瑠美子
北村 明子・中島 純子・岡部 節子
ドリアン・ダンス。この曲名には二つの意味があるそうです。一つはこの曲が、中世ローマで発達した教会音楽の旋法の一つ、その名もドリアン旋法に基づいて作曲されていること。短調音階ではありますが、現代の短調音階の持つ寂しさとは一味違う、華やかさもあわせもつ仕上がりになっています。
もう一つのドリアンとは、古代ギリシアの一民族、ドリア人のこと。建築技術や彫刻に優れ、ギリシア文化に多大な影響を与えたとされる民族です。彼等の踊りとはどのようなものだったのか、喜びの踊りか、それとも悲しみの踊りなのか……。
序奏から、尺八→三絃が奏するリズミックな第一主題部、筝→尺八→三絃による変拍子中心の第二主題部、尺八の独奏、第二主題部の再現の五つの部から成り立っています。
碧浪の譜 石井由希子 作曲
碧浪(へきろう)とは「青緑に澄んださざなみ」という意味です。
どこまでも碧く
きらめく海
波間にたゆたう風は
私の頬を撫でていく
あおく彩られた鳥たち
その美しき鳴き声
荒磯に打ち寄せるさざなみが
碧浪の舞を奏でる
このようなイメージを尺八と箏に託してみました。(石井由希子)
白い航跡 石井由希子 作曲
指 揮 :坂田 誠山
尺八1 :奥村 鋒山・正道 E山・毛利 笙山・出沼 智山・図子 佳山
水落 公尹
尺八2 :須藤 哲雄・萩原 蘊山・伊藤 凌山・功刀 幾山・大場 敬三
村石 遥山
箏 1 :関 もなみ・小泊佐知子・諏訪千世香・大塚真知子・林田瑠美子
箏 2 :北村 明子・中島 純子・中村 幸子・大徳 良子・岡部 節子
17絃箏:大宮 椎子・神山さよ子・石井由希子
まさしず会の委嘱により、平成13年6月に作曲。
青く澄みきった海を眺めていると、不思議と懐かしい人に会えたような気持ちにさせられる。銀の帆船が、白い航跡を残して進みつづける。まるで幾千の思い出と夢をのせて、未来へと向かっているかのように・・・。
曲は、たゆたう波をあらわすかのような箏の流れに始まり、尺八はゆったりとした風のようにあらわれます。短いソロの後、急の部分に入り、ここでは3・3・2拍子にも感じられるシンコペーションが多く使われています。中間部はゆったりとした8分 の6拍子、夕暮れ時の海のような、やや寂しい雰囲気で奏します。3連符の連続により 始まる終結部では尺八・箏ともに激しく高揚し、曲を閉じます。
編曲:フォルクローレ集 石井由希子 編曲
指 揮 :坂田 誠山
尺 八1 :奥村 鋒山・正道 E山・毛利 笙山・出沼 智山・図子 佳山
水落 公尹
尺 八2 :須藤 哲雄・萩原 蘊山・伊藤 凌山・功刀 幾山・大場 敬三
村石 遥山
箏 1 :関 もなみ・小泊佐知子・諏訪千世香・大塚真知子・林田瑠美子
箏 2 :北村 明子・中島 純子・中村 幸子・大徳 良子・岡部 節子
17絃箏 :大宮 椎子・神山さよ子・石井由希子
ある日の合奏団の練習後、「次は何をアレンジしましょうか?」という話題になり、「“コンドルは飛んでいく”はどうですか?」という提案が団員のSさんからありました。早速、フォルクローレのCDを購入し、聴いてみました。
生命力と大地の律動をはらんだ、南米のアンデスと周辺諸国の民間伝承音楽、フォルクローレ。今回は数ある名曲の中から次の5曲をメドレーでお送り致します。
コンドルは飛んでいく〜花祭り〜滝〜灰色の瞳〜コージャ族のお祭り
金閣賦 三木 稔 作曲
1982年、劇団青年座公演、水上勉作「金閣炎上」のための音楽として作曲され、坂田誠山が初演した独奏尺八曲。金閣に放火した青年僧の心理を描き、演奏者によるカデンツァも加えられる構成になっている。
夢紡ぎ(新作初演) 石井由希子 作曲
指 揮 :坂田 誠山
尺八1 :奥村 鋒山・正道 E山・毛利 笙山・出沼 智山・図子 佳山
水落 公尹
尺八2 :須藤 哲雄・萩原 蘊山・伊藤 凌山・功刀 幾山・大場 敬三 村石 遥山
箏 1 :関 もなみ・小泊佐知子・諏訪千世香・大塚真知子・林田瑠美子
箏 2 :北村 明子・中島 純子・中村 幸子・大徳 良子・岡部 節子
17絃箏:大宮 椎子・神山さよ子・石井由希子
団員のNさんの「夢のある曲を是非作ってくださいね!」との言葉からこの曲は生まれました。 夢の糸を紡ぐ糸ぐるまが回り続けるように、箏のオスティナートにのって曲は始まります。
そして箏と尺八が幾重にも夢を織るように、時には穏やかに、またある時はせつなく歌います。 夢いろの織物ができるよう祈りつつ・・・。
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