
本日はお忙しいところ千葉邦楽合奏団第4回定期演奏会にご来場くださいまして、誠にありがとうございます。
千葉邦楽合奏団が結成されて今年で5年目、今回が4回目の演奏会となります。昨年は演奏会後すぐにミラノ公演が控えており、しかも1500人収容の習志野文化ホールでのコンサートで、我々の団体にはなかなか荷が重いイベントでした。しかし団員一同ミラノ公演も含め、力以上の技量を発揮し共に大成功であったと思います。その際、タウンテレビ習志野が演奏会の模様を完全中継し、後日10日間程、午後7時から1時間30分の番組でテレビ放映されていました。あいにく千葉では放映されていなかったのでビデオで見ましたが、画面を見ながら皆感無量でした。
最近千葉邦楽合奏団の名前も各方面で大分認知されつつあるのか、お陰様でいろんな方面から出演依頼が来ております。その中でも、子供達対象の鑑賞会が一番多くを数えています。邦楽の将来を考えると子供達に関心を持ってもらうのが一番のポイントと感じているので、子供達対象の鑑賞会は我々にとっても最も歓迎すべき行事となっています。そんな中こんなエピソードがありました。ある小学校の6年生を対象に鑑賞会を行い、その中に楽器に触れる時間を作っておりました。それを体験したある生徒が中学校に進学し、音楽の先生にその時に初めて尺八に触り吹いてみると苦労しながらも音が出た事にとても感動していた旨を話していたそうです。それを伝え聞いた小学校の担当の先生が、子供達がそんなに感動していたのかと改めて痛感し、又、邦楽鑑賞会を開いて欲しいと我々のもとに要望が寄せられて来たのです。子供達の中にこんなにも感動してくれた生徒が居たことは我々にとってもうれしい話でした。
「邦楽って楽しいの?」「もちろん!」 が我々のモットーです。聴いてくださるお客様に喜んでいただくには、まずは自らが音楽を楽しまなければと、現代感覚にあった新しい曲を生み出しながら活動を進めております。今年は柿落としに出演したぱるるホールでのコンサート、このホールの響きは柿落としの際に体験し、素晴らしい印象がありました。今年のホールは一も二もなくぱるるホールで行おうと決めました。音楽会は素敵なホール、観客、及び素晴らしい演奏が相まって盛り上がります。年々リピーターのお客さんも増えているようです。素敵なホールとお客様に恵まれ今回も一生懸命演奏に力を入れ、盛り上がったコンサートにしたいと思っております。最後までゆっくりお楽しみ頂きたいと存じます。
最後になりましたが今回の定演にご協力いただきました関係各位に心底より感謝申し上げます。どうぞ今後とも皆様のあたたかいご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

川の流れに寄せる詩
筑後川詩情 高橋雅光 作曲
指 揮:坂田 誠山
尺八1:奥村 鋒山・正道 示古山・毛利 笙山・出沼 智山・図子 佳山
石神 政春・水落 公尹
尺八2:須藤 哲雄・森 佳久山・伊藤 凌山・功刀 幾山・大場 敬三
箏 1:樹本佳音里・北村 明子・新村 雅織・諏訪千世香・杉山太佳子
大塚真知子
箏 2:中島 純子・中村 幸子・大徳 良子・大宮 椎子・岡部 節子
神山さよ子・鈴木佑未子
17絃箏:谷田 幸子・鴨村 弘佳・石井由希子
この作品は東京尺八合奏団第14回定期演奏会の為に書いた曲で、東京尺八合奏団の演奏会は毎年6月の梅雨時に催されるので、「水」にちなんだ作品をと考え、この作品を書きました。この作品は、夜が明けて広がる山河風景や、川のせせらぎの様子・広々としたのどかな川の流れの様子・急流や激流〜川下りを楽しむ人々の様子等を表した作品ですが、情景描写というよりも、心象風景を表した作品です。曲名の「筑後川詩情」は、私の母方の実家が九州の福岡なので、そこに流れる、九州最大の川「筑後川」から発想し、曲名としました。本日お聴きいただく皆様には、それぞれに思い描く山河風景が有ると思います。その様子を、この作品を聴くことによって、思い浮かべていただければ、作曲者としても幸いです。
風聲鼓響 和田 薫 作曲
指 揮・打楽器:坂田 誠山
尺八1独奏:奥村 鋒山
尺八2独奏:須藤 哲雄
尺八1:正道 示古山・毛利 笙山・図子 佳山・石神 政春
尺八2:伊藤 凌山・功刀 幾山・大場 敬三・水落 公尹
尺八3:森 佳久山・出沼 智山
打楽器:石井由希子・鈴木佑未子
永い伝統の中で尺八音楽は民衆の心を捕え、今また現代音楽やポップスの中までもその音楽美は浸透しております。その古来から私たちの心を捕えて離さない魅力とは『自然の聲』ともいうべき音そのものであり、時代を越えた美観であると思われます。この作品で私はこうした尺八の魅力に加え、打楽器のもつエネルギーを融合し、静と動、個と合奏の対立による音楽を表出してみました。当夜再演されるこの作品が、いわゆる伝統音楽でも小難しい現代音楽でもない民衆のための音楽として受け入れて頂ければ、作曲者として至上の歓びであります。
松 の 曲 三木 稔 作曲
指 揮:坂田 誠山
二十絃箏独奏:樹本佳音里
尺 八:森 佳久山(独奏)・毛利 笙山(独奏)・須藤 哲雄・奥村 鋒山
正道 示古山・伊藤 凌山・功刀 幾山・出沼 智山・図子 佳山
石神 政春・大場 敬三・水落 公尹
三味線: 大宮 椎子・神山さよ子
箏 1:北村 明子・新村 雅織・諏訪千世香・杉山太佳子・大塚真知子
箏 2:中島 純子・中村 幸子・大徳 良子・岡部 節子・鈴木佑未子
17絃箏:谷田 幸子・鴨村 弘佳・石井由希子
合 唱
<さくらばな女声合唱団> 合唱指導:菅原 寿郎
ソプラノ:吉田 千代・大谷由紀子・鎌田由美子・関谷真知子・中村 和子 前原ふみ子・曽根 秀子
メゾソプラノ:石井 あさ・河内 宮子・河栗 節子・神崎 ふみ・高橋 康子
田中 弘枝・桧山 薫・真嶋 広実
アルト:新井恵美子・岸野 正子・岩崎美智子・河部 敏子・鈴木 静枝
浜田ヒロ子・姫崎久美子・宮良 文子
<アンサンブル La IROHA>
ソプラノ:安藤フミ子・藤江 一江・星川 輝江・勝呂美智子
アルト:大橋 成子・斉藤 初美・浜崎起世美・三澤 和子・川本ゆみ子
この作品は「松の実会」50周年記念演奏会の為に作曲した。歌詞は源実朝作金槐和歌集より“松によする祝という事をよめる”章より撰んだ。歌の部分は古典箏曲的な発声を基本として考え、器楽ともどもアマチュアの技術を念頭に置いて書かれている。
ー新作初演ー
ラテンミュージックメドレー 石井由希子 編曲
指揮・尺八:坂田 誠山
尺八1:奥村 鋒山・正道 示古山・毛利 笙山・出沼 智山・図子 佳山
石神 政春・水落 公尹
尺八2:須藤 哲雄・森 佳久山・伊藤 凌山・功刀 幾山・大場 敬三
箏 1:樹本佳音里・北村 明子・新村 雅織・諏訪千世香・杉山太佳子
大塚真知子
箏 2:江良寿美子・中島 純子・中村 幸子・大徳 良子・大宮 椎子
岡部 節子・神山さよ子・鈴木佑未子
17絃箏:谷田 幸子・鴨村 弘佳・石井由希子
2001年7月初め、関東ではまだ梅雨明け宣言前だというのに、連日猛暑が続いた。毎年、定演での恒例となっているお楽しみコーナーの編曲集、「今回は何を題材に選ぼうか?」といくつかある候補の中から選びあぐねていたとき、暑さのせいか(?)突然はじけたくなってしまった。
「やっぱり暑いときは思いっきり汗をかけるラテンだよね!」と、かなり自己満足の中で納得して、ラテン音楽の中でもよく耳にする曲をいくつか選んだ。(今、落ち着いて考えてみると、演奏会当日はもう秋の気配の感じられる季節なのに・・・スミマセン。)しかし、おかげさまでノリの良い曲ばかりなので、楽しくスムーズに編曲の作業をすすめることができた。
というわけで、マンボNo.5、イパネマの娘、エル チョクロ、ラ クンパルシータ、リベルタンゴ、ラ バンバの6曲をメドレーでお送りいたします。
詩 曲 〜独奏尺八のための〜 長澤勝俊 作曲
尺八独奏:坂田 誠山
この作品は、1969年8月から9月にかけて作曲され、1969年10月31日、都市センターホールでの日本音楽集団第10回定期演奏会において初演された。
曲は二つの部分よりなり、最初は7孔尺八(D・Es・F・G・A・B・C)の機能を十分に生かしながら抒情的な世界が展開される。
後半は主として5孔尺八の音階(D・F・G・A・C)によりできており、陽気な速いパッセージの連続が前半との対比をつくり出している。
ー新作初演ー
夢幻の原 〜馬頭琴と邦楽器群のために〜 石井由希子 作曲
指揮・尺八:坂田 誠山
馬頭琴:チ・ブルグッド
尺八1:奥村 鋒山・正道 示古山・毛利 笙山・出沼 智山・図子 佳山
石神 政春・水落 公尹
尺八2:須藤 哲雄・森 佳久山・伊藤 凌山・功刀 幾山・大場 敬三
箏 1:樹本佳音里(独奏)・北村 明子・新村 雅織・諏訪千世香
杉山太佳子・大塚真知子
箏 2:江良寿美子・中島 純子・中村 幸子・大徳 良子・大宮 椎子
岡部 節子・神山さよ子・鈴木佑未子
17絃箏:谷田 幸子・鴨村 弘佳・石井由希子
果てしなく広がる大草原、真っ青な大空、草の香り・・・そんなシンプルでスケールの大きな世界、モンゴル。そのモンゴルで、最も普及している民族楽器である馬頭琴。
今回、馬頭琴と邦楽器群との新作を作曲するにあたり、馬頭琴奏者のチ・ボラグ氏(本日演奏してくださるブルグッド氏のお父上)に楽器の奏法などについていろいろと教えていただいた。初めて身近で耳にした馬頭琴は、私に強烈な印象を与えた。その音色は深く、心の奥にまで響き渡るようでもあり、またある時にはまるで馬のいななきのように激しく高揚もする。普段なじみのない楽器であるのにもかかわらず、不思議と懐かしい気持ちにさせられた。と同時に、私の中で<夢幻の原>の世界が広がっていった。
本日、馬頭琴独奏のカデンツア部分では、ブルグッド氏独自の即興が披露されます。モンゴルの響き、草原の歌を存分に味わわせていただけることと楽しみにしています。

坂田誠山<指揮・尺八>
神野生山・人間国宝島原帆山両氏に尺八を師事。NHK邦楽技能者育成会12期卒。1969年ブルガリアに於ける世界民族音楽コンクールにおいて銅賞受賞。
海外公演はのべ百数十ケ国に及び、国内でも読売日本交響楽団等オーケストラとの共演や、サントリーホールでチェリストのヨーヨー・マと共演する等、伝統楽器のみならず洋楽器との共演も数多く、ソロリサイタルや、各地でのコンサート、TV、ラジオ、レコーディング等幅広く演奏活動を行っている。
最近では作曲・編曲も手掛け、又昨年自宅に100人程度収容出来るホール(ドルチェホール)を作り、定期的に年間10回の音楽会をプロデュースする等、様々な分野で精力的な音楽活動を続けている。
現在、オーケストラアジア所属(ジャパンアンサンブル代表) 千葉邦楽合奏団/東京尺八合奏団主宰
石井由希子<作曲>
千葉県出身。幼時期よりピアノ、作曲、箏曲を学ぶ。
1990年 武蔵野音楽大学作曲学科卒業。作曲を牛腸征司、和声を三上次郎、指揮法を甲斐正雄に師事。
1992年 第3回「箏・創作フェアー」作曲コンクールにて最優秀賞・朝日新聞社賞受賞
1995年 「世界ホルンフェスティバル in やまがた」ファンファーレ募集において第1 位特選を受賞。
現在、日本音楽著作権協会会員、日本作曲家協議会会員。
主な邦楽作品
○尺八四重奏曲「春愁」○尺八・箏二重奏曲「碧浪の譜」○尺八・箏コンチェルト「いざない」
○尺八・箏合奏曲「祝典序曲」○二十絃箏独奏曲「夕凪」 ○二十絃箏独奏曲「夢のしずく」
○二十五絃箏独奏曲 組曲「潮音」 ○浦の舟歌 ○「風雅」ー尺八協奏曲ー ○「水浅葱」等多数
樹本佳音里
1966年兵庫県生まれ。幼少より母藤井清美(生田流正絃社大師範、さわらび会主宰、我孫子市在住)に、箏の手ほどきを受ける。12歳より野村正峰、野村祐子各師に師事。15歳より金津千重子師に師事。
1982年、名古屋市親善使節団として野村正峰師とともに、オーストラリア公演に参加。1989年、東京芸術大学音楽学部邦楽科卒業。在学中に、上木康江、矢崎明子、砂崎知子、芦垣美穂各師に師事。1989年、1990年「同級生8人によるコンサート」を行う。1992年NHK邦楽技能者育成会37期卒業。NHK邦楽オーディション合格。1996年、賢順記念全国箏曲コンクールにおいて大賞「賢順賞」を受賞。現在、生田流正絃社大師範。森の会会員。さわらび会会員。我孫子市三曲協会会員。
チ・ボラグ(馬頭琴)
1968年中国内モンゴル自治区フフホト市にてチ・ボラグ氏の長男として生まれる。幼少の頃から厳しい音楽教育を受け、1989年から5年間内モンゴル歌舞団の馬頭琴演奏家として活躍し、中国国内を演奏して廻る。1994年から日本に留学。三宅一生のパリ・コレクションでの演奏、群馬交響楽団との共演、そして1994年11月には京都建都1200年記念式典で天皇・皇后両陛下の御前で馬頭琴を演奏した。若手馬頭琴奏者のホープ。2001年3月 東京芸術大学院卒業。
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