
本日はお忙しいところ千葉邦楽合奏団第3回定期演奏会にご来場くださいまして、誠にありがとうございます。
千葉邦楽合奏団が結成されて今年で4年目、今回が3回目の演奏会となります。このコンサートが終わりますと10月16日に成田を出発し、18日にイタリア・ミラノでミラノ日本国総領事館主催の日本文化を紹介する催し物として千葉邦楽合奏団ミラノ公演を行う予定となっております。
今回ミラノ公演が実現したきっかけは、今度の演奏会でパイプオルガンのゲストとしてお迎えする予定でした児玉麻里さんの口利きでした。残念ながら児玉さんの出演は都合で叶わなくなりましたが(チラシなどで広報しておりました児玉麻里さんのオルガンをお聴きに来られたお客様にはご迷惑をお掛けしまして誠に申し訳ございません)、イタリアの件に関連して、ぜひオルガンと日本
楽器との共演も行いましょうとのお話から、今回のトリの曲「Asian Wind」が誕生いたしました。このような組み合わせの曲はなかなか実行しようという気持ちになりませんが、児玉さんとのイタリアに向けての話し合いの中で生まれたこの企画に、団員一同喜んで今回の曲に取り組んでおります。
又、今回のオルガンとの共演の為には千葉市近郊では1500人収容の習志野文化ホールしかなく、今までは500人前後のホールで行っていた定期公演が、一挙にこんな大きなホールになった事によって団員は戸惑いを持ちながらも、初めての海外公演と相まって全員この上なく練習に熱が入っておりました。
昨年、千葉市内のある小学校で邦楽鑑賞会を開催した際、我々の演奏を楽しげに又、真剣に聞き入っている姿を見て、「今まで永年和楽器を演奏してきたが、こんな嬉しそうな姿に接したのは初めてだ。演奏している自分が感動してしまった」という団員がいましたが、今度のこのホールでも同じ感動を団員が感じられようなコンサートにしたいと準備を重ね、今日を迎えております。
「邦楽って楽しいの?」「もちろん!」 が我々のモットーです。聴いてくださるお客様に喜んでいただくには、まずは自らが音楽を楽しまなければと、現代感覚にあった新しい曲を生み出しながら活動を進めております。どうぞ今後とも皆様のあたたかいご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、定期公演には毎回小中高の在校生及び教職員の方々を招待しておりまして、今回は会場が広いこともあり、千葉市・船橋市・及び地元の習志野市の各教育委員会には殊の外ご協力を賜りました。関係各位に心底より感謝申し上げます。
尚、今回はタウンテレビ習志野の中継録画が後日の放映のため入っておりまして、若干ご迷惑をお掛けする場所があるかと存じますが、ご容赦の程よろしくお願い申し上げます。

比婆の夜祭り 坂田誠山 作曲
指 揮:坂田 誠山
尺八1:奥村 鋒山・毛利 笙山・伊藤 凌山・功刀 幾山・出沼 智山
石神 政春
尺八2:正道 示古山・須藤 哲雄・森 佳久山・図子 佳山・中野 松夫
大場 敬三・水落 公尹
箏 1:中島 純子・中村 幸子・大徳 良子・大宮 椎子・岡部 節子
北村 明子・神山さよ子
箏 2:樹本佳音里・新村 雅織・諏訪千世香・杉山太佳子・林田瑠美子
大塚真知子
17絃箏:谷田 幸子・金山 早苗・石井由希子
この曲は、平成8年の広島国体長刀会場となった広島県比婆郡西城町の依頼により、開会式における選手入場の為の行進曲として作曲したものを、後に改作したものです。
曲は、尺八四重奏曲「思郷の詩」のテーマを使用し、皆が楽しく祭りに参加している様と比婆郡西城町の比婆山に出現したと全国的に話題となった怪物「比婆ゴン」の行進をイメージして作曲いたしました。
最初と最後の速いテンポの部分は、祭りに参加してワッショイ、ワッショイと騒ぎながら楽しんでいる様を、又中間部のゆっくりした部分は、疲れて一休みしながら、様々な思いに浸っている様を表わしています。 (坂田誠山)
箏協奏曲 長澤勝俊 作曲
指 揮:坂田 誠山
箏独奏:樹本佳音里
箏 1:新村 雅織・諏訪千世香・杉山太佳子・大塚真知子
箏 2:中島 純子・中村 幸子・大徳 良子・岡部 節子
箏 3:北村 明子・神山さよ子・大宮 椎子・林田瑠美子
17絃箏:谷田 幸子・金山 早苗・石井由希子
箏三部と十七絃をともなった協奏曲です。箏のアンサンブルの中で同じ音色の独奏箏をいかに生かすかという点に、配慮をしました。
第一章はゆったりとした感じで、独奏箏は三拍子のリズムにのって十分にうたいます。
第二章は軽快にかつダイナミックに。アンサンブルと独奏箏との掛け合いと対比の妙を生かすことにより、協奏曲が本来もっている華麗な演奏効果をあげることが出来ます。
1979年 大嶽和久委嘱作品
春の海の主題による
協奏的幻想曲 <改訂初演> 石井由希子 作曲
指 揮:石井由希子
尺八独奏:坂田 誠山
尺八1:奥村 鋒山・毛利 笙山・須藤 哲雄・出沼 智山・図子 佳山
石神 政春・水落 公尹
尺八2:正道 示古山・森 佳久山・伊藤 凌山・功刀 幾山・中野 松夫
大場 敬三
箏 1:樹本佳音里・新村 雅織・諏訪千世香・杉山太佳子・林田瑠美子
大塚真知子
箏 2:中島 純子・中村 幸子・大徳 良子・大宮 椎子・岡部 節子
北村 明子・神山さよ子
17絃箏:谷田 幸子・金山 早苗
宮城道雄作曲の「春の海」で現れる主旋律や断片的なモティーフを用いて、それを展開させ、私なりの「春」を尺八協奏曲風に表現してみました。箏群のポルタメント(後押し)のゆらぎの中から、おだやかな尺八の主旋律が現れます。それは春風が波間をたゆたうようにうたわれ、拡がっていきます。波打ち際で子供達が無邪気に遊んでるような・・・、突然と変わりやすい春の空模様のように激しく・・・、
しっとりとした雰囲気の春の月夜を思わせるような・・・などさまざまな時を過ごします。そしておもに主旋律の展開による、穏やかな中に秘められた力強さの感じられる尺八のカデンツアののち、曲は始めの部分から断片的に再現され終わります。 (石井由希子)
編曲日本のメロディー集 <新作初演> 石井由希子 編曲
指 揮:坂田 誠山
尺八1:奥村 鋒山・正道 示古山・毛利 笙山・図子 佳山・石神 政春
水落 公尹
尺八2:須藤 哲雄・森 佳久山・伊藤 凌山・功刀 幾山・出沼 智山
中野 松夫・大場 敬三
箏 1:樹本佳音里・新村 雅織・諏訪千世香・杉山太佳子・林田瑠美子
大塚真知子
箏 2:中島 純子・中村 幸子・大徳 良子・大宮 椎子・岡部 節子
北村 明子・神山さよ子
17絃箏:谷田 幸子・金山 早苗・石井由希子
これまでの定期演奏会でのこのコーナーでは「動物にちなんだ名曲のメドレー集」「アニメヒットメドレー集」など、<普段、邦楽器以外の音色でなじみのある曲を邦楽器で演奏してみよう!>という試みで発表してきました。そして第3回目の今回は何をテーマにアレンジをしようかと思案していたところ、ちょうどミラノ公演の話も決まりつつあり、「やはり、日本独自のメロディーも
紹介したい」という気持ちも強まり、今回の「編曲日本のメロディー集」が完成いたしました。
曲は「さくら〜ずいずいずっころばし〜島原の子守歌〜ソーラン節」と日本人にとってはなじみ深い曲を選んでみました。それぞれの曲のモティーフを織りまぜて、<千葉邦楽合奏団風>にアレンジしてみました。 (石井由希子)
竹籟五章 諸井 誠 作曲
尺八独奏:坂田 誠山
題名の「竹籟」とは、風に吹かれて竹がたてる音、転じて尺八の異称である。従って、ここでは、「尺八のための5つの楽章」というほどの単純な意味である。
第1楽章 芬陀(ふんだ)。「芬は良い香りをあらわす語。全曲中古典本曲の精神的、様式的影響が最も強い前奏曲である。
第2楽章 爽竹(そうちく)。さわやかな竹の音(竹籟)と言うほどの意。トレモロ奏法が目立っている。2部形式の間奏曲である。
第3楽章 虚籟(きょらい)。うつろなひびき、と云うのではなく、虚心なひびきと云う感じにうけ取ってほしい。全曲の中で、本曲風のゆるやかな厳しい楽想の曲である。
第4楽章 破竹(はちく)。尺八の伝統奏法に含まれないスタッカート奏法を主に用いているので、「尺八」つまり「竹」の伝統を破る、という意味でつけた題である。極めて短かい間奏曲だが、急速なスタッカートの連打音に支えられているので、前後の楽章と鋭いコントラストを形成する。
第5楽章 明暗(めいあん)。曲想の中心になっている明るい所と暗い音のコントラスト、変化をも表わしている。循環形式のように、先立つ4楽章の主なモチーフがすべてここに順番に戻ってくる。全曲中、最大の規模を持つ、ロンド形式に似た形の終曲である。
Asian Wind <新作初演> 石井由希子 作曲
指 揮:坂田 誠山
パイプオルガン:石崎 理
笛 :須藤 哲雄
尺八1:奥村 鋒山・毛利 笙山・正道 示古山・図子 佳山・石神 政春
水落 公尹
尺八2:森 佳久山・伊藤 凌山・功刀 幾山・出沼 智山・中野 松夫
大場 敬三
箏 1:樹本佳音里・新村 雅織・諏訪千世香・杉山太佳子・林田瑠美子
大塚真知子
箏 2:中島 純子・中村 幸子・大徳 良子・大宮 椎子・岡部 節子
北村 明子・神山さよ子
17絃箏:谷田 幸子・金山 早苗・石井由希子
「パイプオルガンと邦楽器とのアンサンブル」という、滅多にお目にかかれない組み合わせの新曲作りということで、始めのうちは自分の中でなかなか両者の存在の接点が見つからずに、
ただ時間ばかりがそしらぬ顔で過ぎていっているようでした。ですが、パイプオルガンについていろいろと調べていくと、一見ただの鍵盤楽器のように見えるオルガンですが、実はオーケストラのような様々な音色や表現力を持ち合わせている奥の深い楽器なのだということに気付き始め、ようやく接点を自
分なりに見い出せたような気がして、曲を書き上げることができました。とはいっても、オルガンはピアノのようにすぐ身近にある楽器でもないので、あくまでも頭の中でイメージを膨らませて書いているわけで、実際に演奏されたときにはどのようなアンサンブルになるのか、
という期待と不安の中での作曲の作業でしたが、今回はオルガニストの石崎 理さんという心強い協力者を得て、
この曲を演奏していただけることを心より嬉しく思っております。
習志野文化ホールで、パイプオルガンと邦楽器と聴いてくださる皆様の間に、アジアの風が心地よく流れることを祈りつつ・・・ (石井由希子)

坂田誠山<指揮・尺八>
神野生山・人間国宝島原帆山両氏に尺八を師事。NHK邦楽技能者育成会12期卒。1969年ブルガリアに於ける世界民族音楽コンクールにおいて銅賞受賞。
海外公演はのべ百数十ケ国に及び、国内でも読売日本交響楽団等オーケストラとの共演や、サントリーホールでチェリストのヨーヨー・マと共演する等、伝統楽器のみならず洋楽器との共演も数多く、ソロリサイタルや、各地でのコンサート、TV、ラジオ、レコーディング等幅広く演奏活動を行っている。
最近では作曲・編曲も手掛け、又昨年自宅に100人程度収容出来るホール(ドルチェホール)を作り、定期的に年間10回の音楽会をプロデュースする等、様々な分野で精力的な音楽活動を続けている。
現在、オーケストラアジア所属(ジャパンアンサンブル代表) 千葉邦楽合奏団/東京尺八合奏団主宰
石井由希子<作曲>
千葉県出身。幼時期よりピアノ、作曲、箏曲を学ぶ。
1990年 武蔵野音楽大学作曲学科卒業。作曲を牛腸征司、和声を三上次郎、指揮法を甲斐正雄に師事。
1992年 第3回「箏・創作フェアー」作曲コンクールにて最優秀賞・朝日新聞社賞受賞
1995年 「世界ホルンフェスティバル in やまがた」ファンファーレ募集において第1 位特選を受賞。
現在、日本音楽著作権協会会員、日本作曲家協議会会員。
主な邦楽作品
○尺八四重奏曲「春愁」○尺八・箏二重奏曲「碧浪の譜」○尺八・箏コンチェルト「いざない」
○尺八・箏合奏曲「祝典序曲」○二十絃箏独奏曲「夕凪」 ○二十絃箏独奏曲「夢のしずく」
○二十五絃箏独奏曲 組曲「潮音」 ○浦の舟歌 ○「風雅」ー尺八協奏曲ー ○「水浅葱」等多数
樹本佳音里
1966年兵庫県生まれ。幼少より母藤井清美(生田流正絃社大師範、さわらび会主宰、我孫子市在住)に、箏の手ほどきを受ける。12歳より野村正峰、野村祐子各師に師事。15歳より金津千重子師に師事。
1982年、名古屋市親善使節団として野村正峰師とともに、オーストラリア公演に参加。1989年、東京芸術大学音楽学部邦楽科卒業。在学中に、上木康江、矢崎明子、砂崎知子、芦垣美穂各師に師事。1989年、1990年「同級生8人によるコンサート」を行う。1992年NHK邦楽技能者育成会37期卒業。NHK邦楽オーディション合格。1996年、賢順記念全国箏曲コンクールにおいて大賞「賢順賞」を受賞。現在、生田流正絃社大師範。森の会会員。さわらび会会員。我孫子市三曲協会会員。
石崎 理(パイプオルガン)
武蔵野音楽大学、同大学院修了後ドイツ留学。
1997年にドイツ国立ヴュルツブルク音楽大学大学院を最優秀で国家演奏家資格(マイスターディフロム)を授与され修了。
1994年ヴュルッブルク市音楽協会コンクールでオルガン部門第1位。
1998年パジアン・デイ・プラト一 (イタリア)国際オルガンコンクールでデイプロマ賞授与。1997年にF.マイヤーオルガン会社にてオルガン建築の実習をうける。
1997年帰国以来、ソロ活動のほか声楽の伴奏、合唱の伴奏、オーケストラとの共演、チェンバロでの通奏低音等、幅広い演奏活動をおこなっている。11月にドイツでの演奏会を予定している。演奏活動の他、地元函館の地域ラジオ放送局にてクラシック番組を担当。日本オルガニスト協会会員。
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